住所を知られずに郵便を受け取る方法！荷物を送る・受け取る場合も解説

「在宅ワークをしているけれど、仕事相手に自宅の住所を教えるのは抵抗がある」

「フリマアプリで商品を購入したけれど、自分の住所を相手に知られたくない」

「住所を知られずに郵便を受け取ることはできるの？」

近年ではネット上のやり取りをする機会が多くなっており、このような悩みを持つ方も増えているのではないでしょうか。

本記事では、自宅の住所を知られたくない方に向けて、郵便物の受け取り方法をご紹介します。あわせて差出人の住所を書かずに郵便を送る方法や、住所を記載せずに荷物のやり取りをする方法についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

住所を知られずに郵便を受け取る方法は2つ

郵便を送る際は、必ず宛名と宛先を記載しなければなりません。とはいえ、時には「郵便は受け取りたいけれど、相手に住所を知られたくない」という場面もありますよね。そんな時はどうすれば良いのでしょうか。

実は相手に住所を知らせなくとも、郵便を受け取ることは可能です。大きく2つの方法があるので、それぞれメリット・デメリットを確認していきましょう。

私設私書箱を使えば不在時や転居時も安心

私書箱とは、自宅以外の場所に所有できる郵便ポストのことです。私書箱には大きく分けて2つの種類があります。

• 郵便私書箱：郵便局内に設置されている。料金は無料だが、利用条件が厳しい

• 私設私書箱：民間業者が提供している。有料だが、個人でも利用しやすい

郵便私書箱には、「ほぼ毎日郵便を受け取る」「6カ月以上継続して利用する」などの利用条件があります。個人で利用条件を満たすケースは少なく、どちらかというと企業向けのサービスといえるでしょう。

それに対して私設私書箱は、業者によって利用条件やサービス内容が異なります。利用料金はかかりますが、自宅まで郵便物を転送してくれたり、郵便物だけでなく荷物も受け取ってくれたりと、濃やかなサービスが受けられる場合も多いです。

大きなメリットはプライバシーを守れること

私設私書箱を使えば、自宅ではなく私書箱の住所で郵便物を受け取ることができます。相手に住所を伝えなくても郵便物を受け取れるため、プライバシーを守れるでしょう。

さらに私設私書箱のなかには、ニックネームで登録できるところもあるため、「自分の名前も知らせたくない」という方にも安心です。ストーカー対策やファンレターの受け取り先としても役立ちます。

また届いた郵便物を保管してもらえるため、旅行や出張などで長期間家を空ける際も安全です。自宅を引っ越すことがあっても、私書箱の住所は変わらないため、スムーズに郵便物の受け取りができるのも嬉しいですね。

急ぎの郵便物がある場合は注意が必要

私書箱の注意点は、郵便物が手元に届くまでに時間がかかること。転送サービスを利用するとしても、週に1回・月に1回など転送頻度が決まっていることが多いです。郵便物が届くタイミングによっては、受け取りまでにタイムラグが生じるでしょう。

なかには郵便物が届くたびに転送するサービスもありますが、別料金がかかるケースがほとんど。だからといって自分で受け取りに行く場合は、少し手間がかかりますよね。

そのため急ぎの郵便物が多いという方は、あらかじめ対応を考えておく必要があります。クラウド私書箱のように郵便物をデータで受け取れるサービスを利用すれば、タイムラグを減らすことができますよ。

バーチャルオフィスなら借りた住所を活用することもできる

バーチャルオフィスとは、自宅とは別にビジネス用の住所を借りられるサービスです。在宅ワークが増えてきた昨今、フリーランスや個人事業主、スタートアップを中心に広く利用されています。レンタルオフィスと混同されることもありますが、その違いは以下のとおりです。

• バーチャルオフィス：住所のみを借りる。料金は安い

• レンタルオフィス：住所に加えて実際に働く空間も借りる。料金は高め

ほとんどのバーチャルオフィスには郵便転送サービスがあり、私書箱のように利用することが可能です。普通郵便だけでなく簡易書留や小型の荷物など、受け取りサインが必要なものにも対応してくれるのも嬉しいところ。ただし現金書留や本人限定受取郵便、大型の荷物については不在票での対応となります。

郵便物の受け取り以外にもさまざまな機能がある

バーチャルオフィスの機能は、郵便物を受け取ることだけではありません。選ぶサービスやプランによって違いはあるものの、たとえば次のような機能があります。

• 法人登記などへの住所利用

• 電話番号のレンタル

• 貸会議室の利用

バーチャルオフィスのなかには、借りた住所を法人登記に利用できるものもあります。自宅で開業している方にとっては便利ですね。そのほかホームページや名刺にバーチャルオフィスの住所を載せたり、法人口座の開設に使ったりもできます。

また住所だけでなく電話番号の貸し出しも行っているところや、貸会議室を併設しているところも少なくありません。ビジネスを広げていくうえで、強い助けとなるでしょう。

バーチャルオフィスの住所ということが知られてしまう可能性はある

バーチャルオフィスを利用すれば、都心やビジネス街の一等地など、信用性の高い住所を使うことができます。実際にバーチャルオフィスの利用者のなかには、「住所がきっかけで取引が決まった」という方もいるほど。

ただしバーチャルオフィスは、同じ住所を複数の企業に貸し出しています。それゆえ住所をネット検索すると、複数の企業名が出てくるケースがあります。場合によっては取引先に不審感を持たれる可能性や、「バーチャルオフィスを利用している」と気付かれる可能性もあるかもしれません。

取引先との関係性によっては、事前にバーチャルオフィスを利用している旨を説明しておくと良いですね。

郵便局留は受取人住所も併記しなければならない

郵便局留とは、郵便物を自宅ではなく最寄りの郵便局に配達してもらうサービスです。郵便物だけでなく、ゆうパックなどの荷物も対象となります。

送り方は簡単で、宛先住所に「受け取りたい郵便局名＋郵便局留め」と記すだけ。同居人に知られずに郵便物を受け取りたい時、郵便物の盗難を防ぎたい時などに便利です。

ただし郵便局留にした郵便物は、受け取る際に郵便局の窓口で本人確認が求められます。そのためにも封筒の表面には、郵便局名だけでなく受取人の住所と氏名の記載も必要です。

つまり郵便局留の場合は、住所を知らせずに郵便や荷物を受け取ることはできません。私書箱やバーチャルオフィスとは違うので、注意しましょう。

差出人の住所を書かずに郵便物を送る場合も問題ない

上述のとおり、郵便物の受取人が住所を知らせたくない場合には、私設私書箱やバーチャルオフィスが役立ちます。一方、差出人が住所を知らせたくない場合にはどうすれば良いのでしょうか。

基本的には差出人の住所が書かれていなくても、郵便物は受取人の元へと配達されます。ただし少なからずリスクもあるので、正しく知っておきましょう。

差出人の住所がなくても配達は可能

普通郵便を送る場合、通常は封筒の表面に受取人の住所と氏名、裏面に差出人の住所と氏名を記載します。そのため「差出人の住所・氏名がないと郵便物が届かないのでは？」と考える方もいるでしょう。

実は差出人の住所・氏名が書かれていなくても、宛先が正しければ通常どおりに郵便物は配達されます。マナー違反やいたずらと捉えられる可能性はあるものの、配達に差し障りはありません。

配達時にトラブルがあった際のリスクは大きい

通常の配達であれば差出人情報がなくても問題ありませんが、配達時にトラブルがあった際は大きな問題となります。たとえば宛先が間違っていた場合、あるいは受取人が事情により受け取れなかった場合など、通常ならその郵便物は差出人へと返送されます。

ところが差出人住所や差出人名が書かれていないと、郵便物を差出人へ返送することができません。すると「還付不能郵便」となり、一定の期間を過ぎたら廃棄されてしまいます。こうなると差出人側からは、郵便物が受取人に届いたのかどうかわからなくなってしまうでしょう。

また本人限定受取郵便や代金引換など一部の郵便物は、差出人情報を省略することはできません。事前に確認し、不備のないようにしてください。

住所を知らせずに荷物を受け取る・送ることもできる

近年では「SNSで知り合った相手にグッズを送りたい」「フリマアプリで商品が売れたから発送したい」など、インターネット経由で知り合った相手に荷物を送る機会が増えてきました。けれども通常の知り合いとは異なり、「インターネットで知り合った相手に住所を教えるのは怖い」と感じる方も多いですよね。

郵便物と同様に、荷物の場合も住所を知らせずに受け取り・送付を行うことは可能です。それぞれ見ていきましょう。

荷物の受け取りには営業所止めを使おう

営業所止めは、受取人の自宅ではなく最寄りの営業所宛てに荷物を送付する方法です。主な配送業者のなかではヤマト運輸と佐川急便が実施しており、無料で利用できます。

営業所止めのやり方は簡単で、送り状の「お届け先」に営業所の住所を記入するだけ。郵便局留とは違って、受取人の住所を併記する必要はありません。

受け取り時は宛先に記載された営業所に行かなければなりませんが、自宅の住所を知らせずに荷物が受け取れますよ。ただし利用条件によっては、営業所に荷物が届いた時にお知らせを受け取れない場合があります。事前に送り主と確認しておきましょう。

参考：営業所受け取りサービスや営業所止置きサービスは、荷物が営業所に届くとお知らせはありますか？ | 受け取り場所変更| ヤマト運輸

荷物を送る際は匿名配送サービスが便利

匿名配送サービスを使えば、差出人の住所を知らせなくても荷物を送ることができます。住所だけでなく氏名も伏せることができれば、さらにプライバシーを守れますね。

ここではよく利用されている匿名配送サービスを3つご紹介します。

①宅急便をスマホで送る（ヤマト運輸）｜匿名配送ができる送り状発行ツール

「宅急便をスマホで送る」は、送り主がクロネコメンバーズの会員であり、受取人が送り主とLINEの友達であることが条件です。また送料とは別に、荷物1個あたり110円の料金がかかります。

参考：宅急便をスマホで送る | ヤマト運輸

②e発送サービス（日本郵便）｜フリマアプリやECサイトなど8つに対応

引用：e発送サービス - 日本郵便

e発送サービスでは、フリマアプリやECサイトの取引を匿名で行うことが可能です。メルカリやBUYMA、BASEなど、さまざまなアプリ・サービスに対応しています。ゆうパックを利用する際に使えるサービスです。

③アズカリ｜SNS上の取引に便利な匿名配送アプリ

引用：【アズカリ】SNS上の個人間売買で匿名の支払・配送が簡単にできるアプリ

アズカリは、SNS上の取引によく使われている匿名配送アプリです。ヤマト運輸と連携しており、ネコポス・宅急便コンパクト・宅急便に対応しています。先に支払いを済ませておくことができるため、金銭トラブルが起きにくいのも特徴です。

住所を知られずに郵便を受け取る方法に関するよくある質問

最後によくある質問について紹介していきます。

Q. 自分の住所を知られずに郵便を受け取ることは本当に可能ですか？

はい、可能です。私設私書箱やバーチャルオフィスを利用すれば、自宅の住所を相手に知られることなく郵便物を受け取ることができます。

Q. 郵便局留めを使えば、住所を知らせずに受け取れますか？

いいえ。郵便局留めでは、郵便局名に加えて受取人の住所と氏名の記載が必要です。住所を完全に伏せたい場合は、私設私書箱やバーチャルオフィスの利用をおすすめします。

Q. 私書箱を使うメリットは何ですか？

自宅住所を相手に伝えずに郵便物を受け取れるため、プライバシー保護になります。また、転送サービスや保管機能があるため、不在時や引越し時にも便利です。

Q. バーチャルオフィスとは何ですか？個人でも使えますか？

バーチャルオフィスとは、ビジネス用の住所を借りられるサービスです。個人事業主やフリーランスの方でも利用でき、郵便物の受け取りだけでなく、法人登記や電話番号貸与などの機能もあります。

Q. 差出人の住所を書かずに郵便物を送っても大丈夫ですか？

普通郵便であれば、差出人の住所・氏名がなくても配達されます。ただし、トラブルがあった際に返送できないため、廃棄されるリスクがあることを理解しておきましょう。

Q. 匿名で荷物を受け取る方法はありますか？

はい。ヤマト運輸や佐川急便の営業所止めサービスを利用すれば、受取人の住所を知らせずに荷物を受け取ることができます。

Q. 匿名で荷物を送る方法はありますか？

あります。ヤマト運輸の「宅急便をスマホで送る」や日本郵便の「e発送サービス」、アズカリなどの匿名配送サービスを使えば、住所や名前を相手に伝えずに荷物を送れます。

Q. 仕事で住所を使う必要がある場合、どうすれば安全ですか？

バーチャルオフィスを利用すれば、都心の信頼性の高い住所をビジネス用に使うことができます。法人登記や名刺への記載にも対応しており、在宅ワークとの相性も良好です。

Q. クラウド私書箱「メールメイト」とは何ですか？

「メールメイト」は、私設私書箱のクラウド型サービスです。届いた郵便物をスマホやPCで確認でき、世界中どこからでも郵便物を管理・受取できます。住所を知られたくない方におすすめです。

ビジネスで郵便物のやり取りをするならバーチャルオフィスがおすすめ

本記事では、住所を知られずに郵便を受け取る方法をご紹介しました。なかでもビジネスで郵便物のやり取りをする機会が多い方には、バーチャルオフィスの利用がおすすめです。郵便物を受け取れるだけでなく、法人登記や住所利用など、ビジネスに役立つ機能がたくさんありますよ。

また郵便物だけでなく、差出人や受取人の住所を記入しなくても荷物の送付ができるサービスもあります。近年ではインターネットを使った個人間の取引も増えているので、プライバシーを守るためにもこうしたサービスを利用したいですね。ぜひ本記事を参考にして、安全な取引を行ってください。